とりあえず、強めの4勢力の設定です。
一応公式設定ですが、プレイされる方の脳内設定を最優先とします。
「ソ連軍は愛と正義の軍隊なんだヨ!」と言う設定でしたら、そちらが適用されるのです。

ソ連

「我々は、かつて様々な家畜を飼育してきた。
 鶏、兎、山羊、羊、馬、豚、牛。
 だが、見たまえ同志イワン。彼らほどよく働く家畜が、かつていただろうか?」
――A.キセリョフ(モスクワの友人に宛てた手紙より)

 第二次世界大戦末期、突如日本に対して宣戦布告したソビエト連邦は、満州・樺太を席巻し、そして北海道へと上陸しました。
 その後の戦闘により町という町は破壊され、女という女は犯され、広大な原野は道民の死体で埋まりました。
 その結果、道民人口は戦前の20分の1に減少しましたが、その中でも、北海道中から札幌に非難してきた難民たちを虐殺した“札幌大虐殺”、本州へ渡ろうとしてごった返す難民たちの頭上で炸裂したハコダテへの原爆投下は、反共抵抗運動の合言葉となっています(曰く「札幌を忘れるな。ハコダテを忘れるな!」)。
 それらの殺戮を指示したのが、現在の極東地区司令官A.キセリョフだといわれています。
 戦後、分割統治された日本は、ソ連にとって地勢的・軍事的に重要な土地です。アジアに共産主義を広めるための重要な基地なのです。
 しかし、日本の西半分には忌むべき資本主義の帝国アメリカが陣取っています。これは軍事上の脅威です。そして、脅威は取り除かれねばなりません。
 こうして、南東京への侵攻が行われました。その分の戦力を北東京に集めたため、各地で反共運動――ひいては戦勝国へ叛乱が盛り上がりましたが、ともかく、南東京の制圧は完了しました。
 ソ連の傀儡政権である東日本は独立の気配を見せ、各地の反共勢力は積極的に活動しています。しかし、ソ連の軍事力は圧倒的です。すべての日本人を共産主義の家畜にするのも、時間の問題でしょう。

攻略ワンポイントアドバイス

 開始直後、東日本が独立するでしょう。これにより、ソ連軍は北海道に閉じ込められます。しかし、何も心配する事はありません。道東の泡沫勢力を適当にあしらい、函館のヒバクシャ連を駆逐し、青森へと上陸しましょう。その後は道なりに南下していけば、抵抗らしい抵抗にあわずに、東北地方を制圧できるでしょう。
 その後は、手薄な日本海側から西進し、関西を制圧するもよし、敵は手ごわいが石高の多い太平洋側に侵攻し、東京を直轄支配するのもよいでしょう。
 ソ連は初心者用勢力です。お手軽に日本を統一したい場合にお使いください。


アメリカ

「マッカーサーは利口だよ。軍人を辞めて大統領になった。
 なぜ俺がそうしなかったのかって?
 阿呆、そんな馬鹿な真似ができるか」
――L.D.ランドン(ワシントンポストの記者にダグラス・マッカーサー大統領について聞かれて)

 フィリピン奪還、硫黄島占領、沖縄制圧、B29による大規模空襲、ヒロシマ・ナガサキ・ヨコハマ・ニイガタへの原爆投下、九州南部への強襲上陸。敵と味方に多大な被害を与えて、アメリカは太平洋戦争に勝利しました。
 残念な事に一人勝ちとはいかず、ソ連という厄介な勝利者も生まれてしまいましたが、“この戦争でもっとも偉大なる勝利者は、その名誉のためにもっとも勇敢に戦ったアメリカである。そして、その勝利の対価として最大の利益を得るのも我がアメリカである”と、すべてのアメリカ人は思っていました。
 しかし、丸ごとアメリカのものになるはずの日本列島は、複雑な国際政治に揺られるうちに、戦勝4カ国による分割統治となりました。
 命を懸けて戦ったアメリカ軍人たちはその事を不満に思いましたが、マッカーサー大統領(ルーズベルト大統領、トルーマン大統領が急死したため議会により任命されました)はその決定を飲んだのです。
 その後、アメリカは彼らなりの善意と誠意(そして少しばかりの欲得と、ソ連への対抗意識)を持って、憐れで小さな黄色い人々に、世界で最も優れた政体たる民主主義を教育し、世界で最高にイカした文化であるアメリカ文化を浸透させていきました。
 そんなある日、ソ連・東日本連合軍が突如南東京へと侵攻します。それに呼応するように各地で住民の武装蜂起が発生。中国も周辺地域への侵攻を開始しました。
 アメリカはイギリスと対日防共協定を策定。共産主義に対抗するためと称し、軍備を集結します。
 その責任者として指名されたのがL.D.ランドンです。彼は日本の分割統治に最も強く反対した人物でもありました。
 指名の際に、彼はマッカーサーにこう囁かれたと言います。
「イワンには、シベリアにお帰り願おうじゃないか」
 その言葉を実現するために、アメリカ軍は北進します。
 その過程で日本人が何人死のうが、それは些細な事です。

攻略ワンポイントアドバイス

 港だらけの沖縄を押さえているため、資金面では不安はないと思われます。
 しかし、ソ連に比べると、初期状態は良いとは言えません。はじめはたくさんの兵士がいるアメリカ軍ですが、支配地の民衆支持率が低いため効率的な徴兵ができません。さらに、九州・中国地方の勢力はほとんどが宿敵設定となっています。
 アメリカの日本占領プランの鍵は、全九州の早期占領です。中国を九州から追い出す事さえできれば、アメリカの躍進は間違いないでしょう。


東日本

「共産主義こそが、最も人間らしい政体であると信じる。
 腐敗、不正、絶望、恐怖。それが共産主義の真髄であり、人間の本質でもあるからだ」
――浅野三十郎(南東京侵攻の朝に)

 浅野三十郎は理想に燃える、熱心な共産主義者でした。大戦中にはソ連のスパイをしていたほどです。
 戦後、その功績を持って東日本国の書記長となりましたが、そのときになってようやく、共産主義の正体を知りました。
 粛清、虐殺。特権階級の腐敗。死の恐怖におびえる民衆。東日本各地で小規模な反共運動が起こり、そのたびに軍によって鎮圧されます。殺されるのです。
 死と暴力による支配。それが共産主義です。そして、そのトップにいるのが、自分なのです。
 このことに彼は打ちのめされました。そして、自分で考える事をやめました。すべてにおいてソビエト共産党の指示を仰ぎ、実行したのです。
 しかし、事態は変わりました。自らも参加した南東京侵攻によって、目の前で死んで行く人々を見たのです。そして、その後の反共運動の高まりと、激化する戦闘によって眼を覚ましたのです。「悪いのは共産主義ではない。腐敗している人間なのだ」と。
 彼は腐敗しきったソビエト共産党を見限ろうとしています。そして、自らの手で理想の社会主義、共産主義国家を作るのです。

攻略ワンポイントアドバイス

 日帝残党によって国土が分断されています。また、周囲は宿敵だらけです。なかなかに厳しい初期状態と言えるでしょう。
 しかし、怯む事はありません。東日本は、南北東京を手中にしているのです。その石高は驚異的です。他のどの都市をとられても、東京だけは死守しましょう。
 人材が揃うまで我慢すれば、チバラキ、日帝残党、埼玉抵抗戦線もおそるるに足りません。ただ、あまり時間をかけてしまうと、ソ連に美味しいところを持っていかれるかもしれませんが。


西日本

「西も東もキチガイだらけ。馬鹿が私の邪魔をする」
――藤堂京子(姫路に落ち延びて)

 戦後のアメリカ統治が終わり、後に西日本となる地域で選挙が行われました。99人の国会議員と1人の公選制首相を選ぶ選挙です。その選挙で初代西日本国首相に選ばれたのが藤堂京子でした。
 彼女の当選の裏にはアメリカのさまざまな援助があったといわれています。アメリカは、自分の意のままになる首相が欲しかったのです。当時、若干21歳の女性であった彼女なら御しやすいと、アメリカは踏んだのです。
 しかし、それは大きな誤解でした。おそらく、このとき首相に立候補した人間の中で、彼女ほど優秀な人間はいなかったでしょう。
 彼女はアメリカから援助を引き出し、西日本を驚異的な速度で復興させていきました。その一方で軍備を増強。中部地方に東部方面軍、中国地方に西部方面軍を置き、対外的な脅威に備えました。
 国力は急速に回復していきます。その急進的な手腕に批判も高まりましたが、国民の生活は豊かになりました。
 このままなら、彼女は名宰相として歴史に名を残しただけでしょう。しかし、彼女には秘めた決意があったのです。
 それは日本の再統一です。
 北は稚内から南は糸満まで、すべてを自分の支配下に置くこと。それが彼女の望みなのです。国土の復興も、軍備の増強も、すべてはその目的のために行ってきた事なのです。
 そして、好機は訪れました。『南東京』へのソ連・東日本連合軍の侵攻が呼び水となり、日本中で騒乱が巻き起こったのです。当面のライバルである西日本も、旧日本帝国の残党が長野から蜂起し、怒涛の勢いで山梨、神奈川を制圧したため、国土を分断されています。
 今こそ独立のとき。日本列島の混乱を収めるのは西日本しかいない。藤堂京子が独立を宣言しようとしたそのときでした。
 東部方面軍、および西部方面軍が同時に叛乱を起こしたのです。さらに、それを見届けたかのように、首都防衛隊も叛乱。住民蜂起を煽動し、西日本の首都である大阪を占拠しました。
 たくさんいた有能な人材は、叛乱に参加したか、混乱に巻き込まれて死にました。今や西日本政府は姫路を臨時首都とし、広大な領土をハゲワシのような外敵に狙われています。
 しかし、藤堂京子はあきらめていません。今、彼女は自らを自らの手で終身首相に任命しました。
 叛乱者を血の海に沈め、日本全土を自らの支配下に置くまで、彼女の戦いは終わりません。

攻略ワンポイントアドバイス

 国土は広大。国境線は長大。ほんの少しの人材と、たくさんの敵。それが西日本の現状です。まずは、誰と結び、誰を叩くかを決めましょう。そして、『とる都市』『とられる都市』『とられてはいけない都市』を決め、柔軟に攻守を采配しましょう。
 しばらくすれば、人材も増えるはずです。本格的な反転攻勢は、それまでじっと我慢しましょう。